訪問看護師はどんな仕事?~働き方とメリットデメリットを徹底解説~

看護師と一言にいっても、その働き方は病棟勤務だけではありません。なかでも近年需要が高まっているのが、「訪問看護師」という働き方。

日本では高齢化社会が進んでいることはもちろん、医療的ケア児の増加といった社会背景から、在宅療養において看護を必要とする人が増えています。

そこで今回は、小児専門のケアリングサービスを提供するソイナースが、「訪問看護師」という仕事について、詳しく解説します。基本情報からはじまり、メリットやデメリット、働き方のモデルケースや平均月給まで、訪問看護師について徹底的に分析していきましょう!

またソイナースでは、小児訪問看護師を募集中!採用後の研修やフォロー体制についても紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね!

訪問看護とは

訪問看護とは、病気や障がいで在宅ケアを必要とする人のご自宅へ看護師が伺い、主治医の訪問看護指示書に沿って看護を行うサービスのことをいいます。

単に看護をするだけでなく、患者様やそのご家族の医療的、生活的なお悩みに寄り添い、アドバイスをすることも大事な役割です。

また訪問看護は、乳児から高齢者まで幅広い年齢層に必要とされています。ソイナースが行う小児訪問看護も、医療的ケア児が増加傾向にある近年の時代背景の上でも高い需要を持っているのです。

訪問看護師の職場

訪問看護師の就業先は主に3つの選択肢が考えられます。

  • 訪問看護ステーション
  • 病院/クリニック(併設型)
  • 保育園や学校

このようなそれぞれの就業先から、患者様のご自宅や保育園、学校など、ケアを必要とする現場へと派遣され、そこが主な職場となるのです。

令和5年に厚生労働省が発表した『訪問看護の実施事業所・医療機関数の年次推移』(※1)によると、訪問看護を実施する事業所は、1万を越えています。この数値から見ても、訪問看護の需要の高さが伺えるのではないでしょうか?

訪問看護師の仕事

訪問看護師の仕事は、患者様のご状況によって様々。必ずしも、「これが仕事」とは言い切れません。そこでソイナースで活躍する小児訪問看護師の仕事内容について、具体例を確認していきましょう。

医師の指示に基づく医療ケア

訪問看護師は、患者様の主治医が作成する『訪問看護指示書』に基づき、医療ケアを行います。

例:

  • 点滴
  • 薬の投与
  • バイタル測定
  • 創傷処置
  • インスリン注射
  • 胃ろう
  • 気管切開部分の管理
  • 医療機器の管理 など

患者様の緩和ケア

通常の看護とは別に、病状によって生じる痛みや生活上の不快感を取り除くことも訪問看護師の大事な役割です。

例:

  • 痛みの調整
  • 口腔ケア
  • 入浴介助

ご家族に寄り添う

患者様のケアはもちろん、普段一緒に生活していらっしゃるご家族の不安や悩みに寄り添うことも訪問看護師の重要な仕事です。ご家族が医療について質問することができる身近な存在としての活躍が期待されています。

例:

  • 緊急時の対応
  • 夜間ケアのコツ
  • 健康管理のアドバイス など

各機関との連携訪

医療的ケアを必要とするお子様が在宅療養をする際には、様々な人や機関が介入します。
それらと連携しながら、患者様とそのご家族が安心して暮らすための橋渡しをすることも仕事の1つといえるでしょう。

  • 主治医
  • 自治体
  • 福祉関係者
  • 保育園や学校などの教育機関

訪問看護師として働くメリット・デメリット

訪問看護師は、大変な分、やりがいも大きい仕事です。だからこそ気になるのが、メリット・デメリット。病院勤務の看護師と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。

メリット

夜勤はナシ!働く時間を選べる

訪問看護師の仕事は、基本的に日中が多いと言えます。夜間の仕事に関しては、ずっと起きているというよりもオンコール体制がほとんどです。そして何より、シフト制の常勤看護師とは違って、働きたい時間帯や日数を選べるのが魅力的。

子育てや趣味と両立したり、スキルアップの勉強に使ったりと、時間を有効活用した勤務スタイルが実現できます。

患者様1人ひとりとじっくり向き合う看護

病院勤務の場合、複数の患者様を看ることになるため、1人にじっくり時間を使う…ということはなかなかできません。また患者様にとっても、数ある看護師のうちの1人という認識になります。

この点訪問看護師は、1対1でケアをするため、患者様の状態や生活に寄り添った看護ができます。ソイナースが携わる小児在宅医療においても、患者様の成長を身近で見守ることをやりがいと実感する看護師も多いのです。

幅広い知識と対応力が身につく

病院勤務の場合、内科に所属すると、看護を経験できる症例は内科のみ。一方で、訪問看護で対応する患者様の状況は、まさに十人十色。診療科の垣根を飛び越えた経験と実績により、幅広い知識と技術を身につきます。

また1対1で看護する訪問看護だからこそ、臨機応変な対応力が身につくことも大きなメリットに。ソイナースでは丁寧なOJTに加えて、通常の看護の際にも困ったことがあれば本部に相談して対応する…といったように対応力を鍛えるメソッドがしっかり整っています。

デメリット

1人看護の責任が重い

訪問看護では1人で患者様のご自宅に伺うことが多いため、1人で大事な命の看護をする責任を負担に感じる人も少なくはありません。

  • 万が一自分の判断が間違えていたら
  • 変化に気づけなかったら

こんな不安も多く耳にします。しかし訪問看護ステーションでは、困った時に相談できるフォロー体制を設けていることがほとんどです。実際ソイナースでも、現場看護師と本部が二人三脚で大事な命の看護に取り組んでいます。

さらに訪問看護は基本、主治医の指示の元看護を行うため、医師に相談するタイミングと習慣さえつかめれば、過度に不安を感じる必要はありません。

つまり訪問看護の現場には1人で出向くとしても、看護全体で考えると、1人だけで行うわけではないのです。

訪問看護師になるために

ここまでで訪問看護師の魅力と実態を確認したところで、ここからは実際に訪問看護師になるために注目しておきたい情報をお伝えします。

資格/経験

訪問看護師になるために、特別な資格や経験の必要はありません。看護師免許があれば、誰でも訪問看護師になることができます。

また小児訪問看護においては、自治体や団体など様々な機関で医療的ケア児に関する研修(セミナー)が行われていますが、この履修も必須なわけではありません。

ただしいきなり現場に行くのではなく、採用された訪問看護センターで研修が行われることがほとんど。実際にソイナースでも、勤務が決定された方に次のような研修を実施しています。

  • 座学
  • OJT研修(実践)

ソイナースの研修について、詳しくは『医療的ケア児を見守る看護師必見!~研修の必要性と活躍の場とは~ 』もご参照ください。

訪問看護師の給料事情

厚生労働省が令和5年に発表した調査結果(※1)によると、常勤の訪問看護師の平均月給は、【452,951円】。

同じく厚生労働省が発表した令和5年賃金構造基本統計調査によると、一般的な看護師の平均月給が352,100円と言われていることから、訪問看護師の月給は高めだということがわかります。このことからも、需要の高さを感じますよね。

【勤務先】訪問看護ステーションの選び方

勤務する訪問看護ステーションを選ぶ際には、次の3つのポイントに注目しましょう!

①働く時間帯や休日が自由に選べるか

あなたがどのようなライフスタイルを送りたいか、それによって働く時間帯や勤務日も変わってきますよね。

例えば小学生のお子様を子育てをしながら働くとなると、夕方5時までには帰りたい…などのご希望もあることでしょう。事前の問い合わせや面接でしっかりと希望を汲み取ってくれる勤務先を選ぶことが理想的です。

②研修やフォロー体制

訪問看護ステーションによって、研修のカリキュラムや期間も異なります。さらにフォロー体制や考え方もあることでしょう。

特に未経験の方であればなおさら、この点に十分注目し、ご自身が安心できる体制が整う勤務先を選びましょう。

③患者様の傾向

訪問看護ステーションによって、利用する患者様の層が異なります。

  • 小児の医療的ケア
  • ターミナルケア
  • 難病の方のケア
  • リハビリ中心のケア
  • 精神疾患の方のケア など

だからこそ、まずはステーションの傾向を選ぶことが大切に。
あなたが経験したい訪問看護がどのようなものなのか、しっかり考えてみてくださいね。そして問い合わせや面接の際に、希望はしっかりと伝えましょう。

【訪問看護師】このような人にオススメ!

訪問看護師になるために、最も重要なことは、訪問看護への興味と理解です。患者様が在宅で快適に療養できる喜びに寄り添える人は、訪問看護師として充実した仕事ができるのではないでしょうか。

また訪問看護師は、患者様のご自宅で、ご家族とも接する機会が多いため、「常識(マナー)」と「コミュニケーション力」を身につけていることも大きな強みとなるでしょう。

【ソイナースが語る】訪問看護師の一日

8:00~9:15 利用者様のご自宅へ向かい学校までバスに乗車(1軒目)
ご自宅でご利用者様と待ち合わせ、一緒にスクールバスに乗車。必要時吸引等医療的ケアを実施しながら、学校へ通学します。

9:30~14:30 一旦自宅に帰って、家事や昼食
訪問先が自宅から近い場合、次の訪問までの空き時間で、自宅の洗濯や掃除、夕飯の下ごしらえなど家事を済ませてしまう看護師もいます!

その他、勉強やカフェでゆったりする、昼ごはんを食べてすぐに次の訪問先へ…など看護師それぞれのライフスタイルを大事にしながら働いています。

14:30 2軒目の訪問現場へ移動

15:30~17:30 2軒目の訪問先での看護
訪問先での看護時間は、1時間~2時間程度です。

まずは児童発達施設からお戻りの車からピックアップ。

全体状態を確認して、医療的ケアや入浴介助を行った後は、おもちゃで遊んだり、ご家族から普段の様子について共有いただいたりと、コミュニケーションの時間も大切にしています。

17:30 終了
直行直帰のため、看護の記録や関係者への情報共有などを行い、この日の業務は終了です。

より詳しい一日のスケジュールは、下記のコンテンツでもご紹介しています。
ぜひご参照ください!

弊社オンラインセミナー アーカイブ動画(2023年12月13日開催)
コラム 『医療的ケア児を支える看護師の役割とは?医療的ケアの一日レポート』

看護師の働き方は自由自在!

今回はある看護師の一日をモデルケースとしてご紹介しましたが、なかには1日に1カ所のみ担当していたり、週に2日だけ勤務していたりと、働き方は看護師によって十人十色です。

ソイナースでもあらゆる時間帯・働き方で、小児訪問看護師を募集中。
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【参考資料】
※1 厚生労働省|訪問看護(令和5年7月24日)
※2 厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査(令和6年3月27日)

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