医療的ケア児のお子様と一緒に暮らすご家族から、次のようなお声を伺うことが多くあります。
「家族ででかけたいけど、不安……」
在宅での看病でも配慮すべきことが多くあるのに、おでかけともなると、準備や移動、外出先でのケアや緊急対応など、不安に感じるのも無理はありません。
しかし、家族の思い出を作るためにも、またリフレッシュのためにも、「おでかけしたい」という気持ちを感じることも大変理解できます。
そこでソイナースでは、ご利用者様への感謝企画として、看護師付き添いの【おでかけ企画】を実施!
今回はそのおでかけ企画の様子を、【前編】【後編】に分けて、ご紹介したいと思います。
ソイナースからの感謝の気持ちを込めて!レゴランド&キラナガーデン企画について
ソイナースでは日頃の感謝を込めて、ご利用者様向けのおでかけ企画を行いました。
◆開催日
2024年9月14日(土)
◆行先
●キラナガーデン(@豊洲):BBQ
●レゴランド・ディスカバリー・センター東京(@お台場):テーマパーク
当日は計7組のご家族にご参加いただき、とても楽しい時間を過ごすことができました。
当日のタイムスケジュール
1 0 : 1 5 : キ ラ ナ ガ ー デ ン 豊 洲 集 合
1 0 : 3 0 : B B Q 開 始
1 2 : 3 0 : 終 了
~ソイナースが手配したタ ク シ ー で 移 動 ~
※ 自 家 用 車 で お 越 し の 方 は 、現地集合でお願いしました。
1 3 : 2 0 : レゴランド・ディスカバリー・センター東京 入 場
1 4 : 2 0 : ワ ー ク シ ョ ッ プ で レ ゴ 作 品 作 り
1 5 : 3 0 : 解 散
医療的ケア児のおでかけは、何が大変?【ソイナースの下見】
医療的ケア児とのおでかけで、「難しい」「大変だ」という声が上がるポイントは、次の5点です。
- 通路
- 駐車場
- トイレ
- 電源の確保
- 安全に楽しめる施設か
ソイナースではおでかけ企画を行う上で、これらの点をサポートできるよう、事前の下見を行い、お子様とご家族が安全に過ごせる施設を選びました。
通路
医療的ケア児のおでかけ先での移動は、車いすやバギーというケースが多いと言えるでしょう。その点、段差や整備が不十分な通路があると、移動しにくいのです。
実際に現地では、車いすが通るには狭い通路やエレベーターのアクセスが難しく感じる箇所もありました。事前に下見をしたことで、看護師・スタッフがサポートをすべきポイントを把握できました。
またBBQ会場では、設置されている家具が大きめでそのままでは通りにくいように感じたため、スタッフが事前に家具の移動などを行い通り道を確保いたしました。さらにBBQ会場ではグリルが配置されているため、酸素がついているお子様の安全性を考慮して、火の元であるグリルから2m以上の安全な場所が確保できることも確認しています。
駐車場
車いすやバギーで移動する場合、駐車場から施設内へのアクセスがスムーズに行えるかは重要なポイントとなります。一般的に車いす専用の駐車スペースは、施設への出入口の近くにありますが、不足していて入れない場合もあります。
この点、下見でチェックし、事前に施設側への確認も行っていたことで車いす専用の駐車スペースへの誘導もスムーズに行うことができました。
また今回は、現地集合だったため、ご利用者様が迷われないよう配慮いたしました。特にお台場は建物も多く、どこに入るべきか悩んでしまうことも懸念して、次のようなサポートを行いました。
- 目印となる建物やバス停名をお伝えする
- 駐車場にソイナースのスタッフを配置し誘導
トイレ
車いすで利用できるバリアフリートイレの不足も、おでかけの難易度を挙げる理由の1つです。
- バリアフリートイレまでの導線は安全か
- 衛生的におむつ替えができるのか
- どんな設備が整っているのか
そこでソイナースは、それぞれの施設のバリアフリートイレの位置や段差、設備をチェック。いずれの施設も、オムツ台やウレタン素材のマットの貸出をされていたので安心でした!
オムツ台ではやや小さいと感じる場合には、ご自身でレジャーシートをご持参いただき、貸出のウレタンマットの上でオムツを交換しました。
電源の確保
長時間の外出では、医療的ケアに必要な機器の充電が心配で外出に不安を感じている方も多いようです。だからこそソイナースでは下見の際に、電源(コンセント)の利用について確認。特に移動が多いテーマパークではなく、BBQ会場での電源利用に注目しました。
結果、コンセントの利用は可能!安心して利用することができました。
安全に楽しめる施設か
ソイナースのご利用者様のアンケートの中には、「家族でテーマパークに行きたい」というお声も度々いただきます。そこで気になるのが、「医療的ケア児が安全に楽しめるアトラクションがあるのか」。
そこでソイナースの下見では、車いすやバギーで移動することを想定して、アトラクションや施設内をチェック。今回利用したレゴランド・ディスカバリー・センター東京では、医療的ケア児とそのご家族が楽しめる施設となっていると実感し、選びました!
●見て楽しめるウォークスルー型展示コーナー
●車いすやバギーで入れるシアター
●作って遊べるレゴゾーン
そのほか、ご兄弟が楽しめる乗り物や体を動かすアトラクションも多くあり、ご家族皆さんで楽しんでいただける施設だと判断しました。
※レゴランド・ディスカバリー・センター東京での様子は、<後編記事>で詳しくご紹介します!
キラナガーデンでBBQ!外出先の医療的ケア児の食事
ご家族で外出する際、次のような不安はありませんか?
- 医療的ケア児が食べれるメニューがあるのか
- お子様用の食べ物の持ち込みができるのか
ソイナースのご利用者様のなかにも、食事において医療的ケアが必要なお子様が多くいらっしゃいます。そこでソイナースが気になったのは、「ミキサー食」の確保。
事前に調査したところ、東京23区内にミキサー食を用意している飲食店はほとんどありませんでした。そのため、ミキサー食のお子様の食事を確保するためには、ミキサーや食材の持参が必要となります。
この点、今回のBBQ会場であるキラナガーデンでは、ミキサーと食材の持参が可能(※)!こちらの会場では電源もお借りできたので、スムーズにミキサー食の用意ができました。
また外出先での食事は、誤嚥が心配な方も多いと思いますが、今回は看護師付き添いの企画なので、ご家族も安心してBBQを楽しんでいらっしゃいました。
※今回はイベント催行会社からの確認でミキサー持参のご承諾をいただいたため、個人でご利用される場合には事前にご確認ください。
BBQを楽しむ他のご家族との交流
キラナガーデンでは、食事を楽しむことはもちろん、他のご家族と交流される様子も見られました。実際にイベント後に行ったアンケートでは、他のご家族との交流に満足したというお声も多数いただいています。
ただしなかには、お子様の食事に時間がかかったり、車いすでの移動が難しかったりと移動がスムーズにできないご家庭もいらっしゃいました。しかし、移動ができるご家族から積極的に回っていらしたことで、交流もできていた印象です。
ご協力ありがとうございました。
医療的ケア児と暮らすご家族同士でお悩みや成長の喜びを共有することはもちろん、普段在宅での療養がメインなお子様にとって、他のお子様との交流はとても刺激になったのではないでしょうか?
BBQでの反省点
開催は9月。まだ暑さが残る季節でしたので、今回は屋内キャビンを貸し切る形で実施いたしました。しかし、この時期はクーラーがついていてもまだ暑く、快適とは言えない環境だったと感じています。
もし今後同じ会場でのBBQを検討される方がいらっしゃいましたら、涼しい夜間や10月に入ってからのご利用をオススメいたします。
BBQに参加されたご家族のお声
- 海やレインボーブリッジなどリゾート感満載の絶景で、海外旅行に来た気分ー味わえました。
- ロケーションもよかったので、「また家族で行きたいね」と話しています。
- 外は蒸し暑かったですが、室内だったので良かったです。
- それぞれに着席するレストランではなく、立食のBBQだったことで、フランクに楽しめました。
- 看護師さんによる食事介助(注入)が、助かりました。
医療的ケア児とそのご家族のおでかけが笑顔と思い出になる瞬間
今回のレポートでは、おでかけ企画前半の様子をご紹介しました!
BBQでは、看護師もご家族と同席。一緒に食事を楽しむことで、普段よりもゆっくりと交流することができました。
そして何より、ご自宅とは違ったご家族の笑顔を近くで見ることができ、思い出の瞬間に立ち会えたことをとても嬉しく思いました。
次回後編レポートでは、テーマパーク【レゴランド・ディスカバリー・センター東京】を楽しむ様子をご紹介いたします!ぜひご覧ください。
ソイナースのご利用やおでかけについてご不明な点は、LINEにてお気軽にご質問、ご相談ください。