小児訪問看護師が大切にしたい「ご家族」との関わり【ソイナースの体験談】

小児看護の現場で向き合うのは、医療的ケアを必要とするお子様だけではありません。お子様の病気や障がいと日々向き合う親御さん、ご家族とのコミュニケーションも、小児訪問看護師の大事な役割です。

最善の看護を目指すためには、大事なお子様を見守るご家族と看護師がしっかりと連携する体制が欠かせません。

そこで今回は、小児訪問看護における親御さん、ご家族との関わりについて、ソイナースの現役看護師のリアルな意見をヒアリングしました!

 

医療的ケア児の看護は「家族との関わり」が大切

医療的ケア児に関わらず、育児では家族の団結と信頼関係がとても大切です。そしてそこに「医療」が加わると、ご家族だけでは乗り越えられない不安や課題もさらに多く発生することでしょう。そこをサポートするのが、医療の観点で携わる小児訪問看護師。

ご家族が日常の医療的ケアとしっかり向き合えるよう、医療の観点からご家族を支えることができるのは、一緒にお子様を見守る看護師の大事な仕事です。

またお子様の成長や病状、状況も日々変化していきます。看護では、それらをしっかりキャッチアップする力が重要です。だからこそ親御さんはもちろん、ご家族皆さんと連携しながら情報を共有する体制が求められます。

ご家族が安心して看護を任せられる存在になるためにも、小児訪問看護師は丁寧なコミュニケーションを意識しながら信頼関係構築を目指しているのです。

▼医療的ケア児を支える看護師の役割について、より詳しい解説

医療的ケア児を支える看護師の役割とは?医療的ケアの一日レポート

 

【実録】医療的ケア児の家族から相談される悩み

小児訪問看護師がご家族を支える上で目指すべきは、「身近な相談相手」であること

ご家族が日々の看護を乗り切るためにも、心の負担を軽減するお手伝いをしています。では実際に看護師の元に寄せられるご家族からのご相談には、どのような内容があるのか、ソイナースの体験談を見ていきましょう。

 

体調について

お子様の元気な様子を見守る喜びの一方、体調不良を感じたり、健康面での不安を感じたりするご家族の心のご負担は図りしれません。

医師や地域の相談員に相談するケースも多くありますが、相談の機会も限られています。だからこそ会う機会の多い看護師に体調のことをご相談されるケースが多いのです。

 

▼看護師Kさんに届いたご相談

季節の変わり目や気圧の変化で体調不良を感じるといった相談をいただくことがあります。時には、看護が大変で親御さんご自身が眠れていない…という体調の不安の声を聞くこともあり心配です。

 

▼看護師Aさんに届いたご相談

  • もうすぐ学校に通うけど、薬をどうすればいいか…
  • 発疹がでた時、以前処方された薬を使っていいか… など

医療的な判断について、相談されることがあります。

 

生活について

医療的ケア児と過ごす日常は、看護だけではありません。それぞれの「生活」があります。

その生活をいかに快適に過ごすか、お子様を大事に思うからこそ、ご家族はそのヒントを看護師に求めることもあるのです。

 

▼看護師Oさんに届いた相談

  • 生活リズムが乱れた時、どのように生活を調整すべきか
  • イレギュラーなイベントが入った時、疲労を感じたらどのように対応すべきか

といったご相談をいただくことがあります。

私だけでアドバイスしきれないことは、ソイナース本部にも相談しました。その結果、在宅レスパイトなど定期利用以外のご利用をおすすめされていたようです。

 

▼看護師Hさんに届いた相談

「同じ病気の子になかなか会うことがないので、悩みを共感できる人がいない」というご不安をよく伺います。

支援学校での対応に疑問を感じるけど、これが普通なのかどうかも聞けずにいるなど、ご家族だけではモヤモヤしてしまうお悩みもあるようです。

 

医療的ケア児とご家族に信頼される看護師であるために

医療的ケアに携わる上で、お子様を見守るご家族との信頼関係を築くために看護師は、それぞれ意識していることがあります。

具体的なエピソードも交えて、ソイナースの小児訪問看護師が信頼と絆のために心がけていることに注目してみましょう。

 

丁寧な声かけ

どんなに些細なことであっても、「気配り」の積み重ねで信頼関係が構築されていきます。だからこそコミュニケーションの基本である「声かけ」によって、信頼を実感した看護師も多いようです。

▼看護師Iさんの場合

ご本人はもちろん、ご家族の方にも声をかけながら、処置を行うようにしています。

例えば…

ご本人に「オムツ替えますよー」と声掛けした後、破棄する場所が決まっていても「オムツここに置いておきますね」とご家族に一声かけています。

さらに「今日はこのくらい出ましたよ」など、ご家族への情報共有も欠かせません。

 

▼看護師Yさんの場合

訪問した際の挨拶は丁寧にしています。

またケアが終了する際やご家族の話しを聞く時には、お子様のとても良かったところやご家族の心労に対して必ずねぎらいの言葉をかけるようにしています。

他にも、ケア中にご家族が手伝ってくださったり、片付けてくださった時にはしっかりお礼を伝えるなど、ごく普通のことですが、丁寧にお声がけするように心がけています。

 

積極的に情報を確認する

看護師の知識で流れ作業的に看護を行うのではなく、「ご家族がどうしたいか」「普段どうしているのか」と、ご家族のご意見を伺うことで、お子様お一人おひとりに寄り添う看護の実現を目指している信頼感につながっているという声もありました。

▼看護師Hさんの場合

前回の訪問後の治療経過や看護記録をじっくり確認するだけではなく、週末の様子や記録を確認して気になる点があればご家族へ確認しています。

 

▼看護師Oさんの場合

少しでも気になることは、すぐに聞くようにしています。また保護者の方がご不在の時間に訪問させていただくことも多いので、訪問中の様子を医療的ケアに関わることではなくても細かくお伝えするようにしています。

 

▼看護師Tさんの場合

対応に困ったときは、ご家族が普段どのように接していらっしゃるかを聞くようにしています。なるべく普段のケアと同じような対応が出来るように心がけています。

 

ご家族に関する会話

患者さまはもちろん、ご家族との関係が和やかであるために、時には医療やお子様のこと以外のお話をすることも大切。ご家族を理解し、尊重した関係づくりが信頼に繋がっています。

▼看護師Aさんの場合

 訪問している時間は、ご家族に力を抜いて休息していただきたいと思っています。そのため、ご兄弟のお話や何気ない会話で和やかな雰囲気が作れるよう意識しています。 

 

▼看護師Kさんの場合

お母様との話は最後まできちんと聞くようにしています。そしてお母様の考えを否定したりすることのないよう、受容の気持ちを持つように気をつけています。

 

▼看護師Uさんの場合

毎回疲れたご様子のお母様に、こちらからのお声がけでご意向を伺うように心がけていたところ、最近ではお母様から話しかけてくださったり、愚痴をこぼしてくれたりする機会も増えました。

 

【ソイナースが目指す】ご家族と看護師の関係性

毎日24時間お子様のことを考え、向き合うご家族が、他人である小児訪問看護師を信頼するというのはそう簡単なことではありません。しかし、固い信頼関係が気づけた時、看護の楽しさや醍醐味を感じることでしょう。

ソイナースでは、ご家族と看護師が次のような関係性であることを目指しています。

・信頼関係を築き、寄り添い合う

・お互い健やかな状態を保つ

・子どもの成長・発達にとって良い環境を作るパートナー

そのためにも看護師1人ひとりの心がけはもちろん、企業としてもご家族に信頼していただける存在でありたいと考えています。

ご家族を支える小児看護師の仕事について、もっと詳しく知りたい方は、LINEにてぜひお気軽にご連絡ください。

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