医療的ケア児の【地域包括ケア制度と体制】をわかりやすく解説

医療的ケア児が退院して自宅での生活を始めるとき、その日常を支える仕組みは「医療」だけではありません。地域で支えるのです。

この記事では、保健・福祉・教育・就労など、医療的ケア児の生活と成長を支える地域包括ケアの全体像を、退院直後から成人期までの流れでわかりやすく解説します。

 

医療的ケア児を支える「地域包括ケア」とは

地域包括ケアとは、暮らしにサポートが必要な人に対し、地域全体で多分野が連携して、一人ひとりの生活を支える仕組みのことを言います。

【人の暮らしを支えるために連携が必要な分野】

  • 医療
  • 保健
  • 福祉
  • 教育
  • 就労 など

そしてこの地域包括ケアが、医療的ケア児の在宅療養を支える際にも、重要となるのです。

実際に2021年に施行された「医療的ケア児支援法」では、自治体に支援コーディネーターの配置を義務づけ、医療と福祉が連携する体制づくりを進めています。

  • 病院
  • 訪問看護
  • 学校
  • 福祉事業所
  • 行政 など

医療的ケア児の健やかな日常に欠かせない地域の各機関が一体となって関わることで、お子さまとそのご家族が“地域で安心して暮らし続けられる”環境を実現することが目的です。

こうした地域包括ケアの理念は、退院直後の在宅医療の現場で具体的に形になります。ここからは、実際にどのような支援体制が整えられているのか、退院直後から成人期までの流れを見ていきましょう。

 

退院から始まる小児在宅医療の仕組み

病院から家庭へと環境が変わる瞬間は、家族にとって大きな転機です。つまり地域包括ケアの実践は、まずこの「退院支援」から始まるのです。

ここでは、退院後にどんな支援が始まり、どのように地域で医療的ケア児の生活を支えていくのか具体的に見ていきます。

 

① 退院支援と在宅移行の流れ

お子さまの退院前には、主治医・看護師・ソーシャルワーカーをはじめ、訪問看護ステーション・自治体、そしてご家族が一つの支援チームとなり、お子さまの退院後の生活を支えるための方針を話し合います。

この段階で「医療的ケア児支援センター」や「相談支援専門員」が関わり、退院後の在宅ケア計画(個別支援計画)を立てる流れが一般的です。

 

② 医療保険による在宅サービス

在宅療養が始まると、医療保険を利用した訪問診療・訪問看護・訪問リハビリが中心となります。特に小児では、次のような医療保険の加算があるため、24時間の見守り体制を強化できるのです。

  • 長時間訪問看護加算
  • 乳幼児加算 など

また成長面では、薬局・栄養士・歯科・リハビリ職なども連携し、お子さまの発達に合わせた多職種チーム支援が行われます。

 

医療的ケア児の成長とともに広がる「通所支援」の仕組み

在宅医療が安定すると、子どもたちは地域との関わりを持ちながら発達段階を進んでいきます。
ここでは、就園・就学期に活用できる通所支援制度を中心に、医療的ケア児の社会参加を支える仕組みを紹介します。

 

① 未就学児の支援(児童発達支援)

退院後の未就学児は、次のような支援を受けることができます。

  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援

通所先では、看護師や保育士が連携して医療的ケアを行い、日常生活や発達をサポートします。保育園・幼稚園と併用するケースも多く、家庭と社会をつなぐ第一歩になります。

 

② 学齢期の支援(放課後等デイサービス)

就学後は「放課後等デイサービス」を利用することで、放課後の居場所と医療的支援を両立できます。デイサービスの利用により、保護者の就労支援や家庭の負担軽減にもつながることでしょう。

また制度面では、看護職員配置加算や医療的ケア児対応加算が整備され、特別支援学校や医療機関との連携も進みます。

💡ソイナースは2025年8月、東京都府中市に児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ソイナース府中Port」を開所いたしました。

【ソイナース府中Port】についてもっと詳しく

 

③ 医療機関との併用モデル

近年、医療的ケアを必要とする学齢期のお子さまの暮らしでは、次のような複合的な支援のケースも広がっています。

例)
朝:訪問看護師による送迎
昼間:医療型デイサービス
夕方:訪問看護師による送迎/在宅看護ケア

このような「医療+福祉の組み合わせ」が、子どもの安全と家族の安心を両立させているのです。

 

お子さまの成人期への移行支援と障害福祉制度

学齢期を終えると、支援の枠組みは児童福祉法から障害福祉サービスへと切り替わります。
ここでは、18歳以降に利用できる制度や、地域包括ケアの中でどう支援が継続されていくのかを見ていきましょう。

 

① 障害福祉サービス(18歳以降)

18歳を迎えると、「障害者総合支援法」に基づく福祉サービスへと切り替わります。それぞれのライフスタイルに応じた選択肢から、必要な支援を選ぶことができます。

  • 生活介護
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援(A型・B型)
  • 療養介護 など

またこれにより、医療的ケア児から「医療的ケア者」へと、地域の中で自立を目指すステージに移ります。さらに日常生活用具給付や自立支援医療の継続利用により、生活の安定も支えられるのです。

 

② 地域包括ケアにおける多職種連携

成人後も、地域包括ケアシステムの中で、医療・福祉・就労支援が継続されます。

  • 訪問看護
  • 通所・就労支援事業所
  • 行政 など

このような多職種がネットワークを組むことで、支援の切れ目を防ぐことが求められているのです。つまり「医療的ケア児支援法」で培われたチーム連携の考え方は、そのまま成人期にも生きていると言えるでしょう。

 

切れ目のない支援を地域でつなぐ【地域包括ケア】

退院から成人期まで、医療的ケア児の生活には多くの人と制度が関わります。それらを途切れずつなぐのが、地域包括ケアの本質です。

つまり病院から家庭へ、学校から社会へと支援の場が変わっても、チームが連携し続けることが何より大切なのです。行政・医療・教育・福祉が連携し、家族が孤立しない地域づくりを進めることで、真の「地域共生社会」が実現します。

そしてソイナースは、その支援の輪のなかで、お子さまと家族の“日常の安心”を支える存在であるため、ご利用者さまに寄り添った関わりを心がけています。

ソイナースの小児訪問看護サービスについて、疑問がございましたら、ぜひLINE公式アカウントにて、お気軽にご質問ください!

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