医療的ケア児の訪問介護は医療保険が利用可能|回数・時間は?

日常生活において医療的な援助が必要な医療的ケア児。医療的ケア児を抱える家庭の多くは、社会資源を活用しながら在宅での介護を行っています。そんなケア児と家族の日常生活を支援するのが訪問看護です。訪問看護を利用することで、専門的なケアを受けることができ、ご家族の負担も軽くすることができます。
今回は医療的ケア児が訪問看護を利用する目的や実際の利用にかかる金額、利用回数・時間などについて解説します。

医療的ケア児の訪問看護とは?

医療的ケア児は常に医療的ケアが必要であり、介護を家族のみで実施している現状があります。家族への負担は大きく、少しでも負担軽減に繋がるようなサービスとして訪問看護があります。訪問看護とは、在宅で療養されている方に対し、主治医の指示に基づいて医療的ケアや日常生活援助を行う支援サービスの1つです。
ここでは、医療的ケア児の訪問看護の目的やメリット、訪問看護でできることについて解説します。

訪問看護を利用する目的

訪問看護を利用する目的は過程によりさまざまですが、主に下記のものが挙げられます。
●在宅レスパイト
●家族の不在時など医療的ケアの代行
●旅行など外出時の人員確保
●学校や保育園での付き添い
●各所との連携代行
●不明点や方向性などの相談
●緊急時に備えて連絡先を確保するため

訪問看護を利用するメリット

訪問看護は家族の負担軽減のために利用されることが多いです。訪問看護を利用するメリットは下記のものがあります。
●介護時間の軽減
●リフレッシュ時間の確保
●旅行などやりたいことが安全に実施できる
●疑問や不安なことをすぐに聞くことができる
●ケア児や家族のQOLの向上に繋がる
●希望する生活の支援を受けることができる
●安心感を得ることができる

訪問看護のケア内容

医療的ケア児の訪問看護は主に次のケア内容を行います。
①観察(バイタルサイン測定・人工呼吸器管理)
②日常生活援助(口腔ケア、入浴、体位交換や移乗、吸引、経管栄養)
③児とのコミュニケーション
④安全管理(骨折予防、リハビリテーション)
⑤家族支援(ケア指導や相談受付、療養アドバイス)
⑥学校や保育園での付き添い支援
⑦外出や留守番時の援助

医療的ケア児の訪問看護は医療保険が利用可能

医療的ケア児の訪問看護は医療保険を利用することにより保険適用となり、2〜3割の負担額となります。また、乳幼児医療費助成制度や小児慢性特定疾病の医療費助成などを活用することにより、交通費のみで訪問看護を受けることができるなど、負担額を軽減することができます。助成制度は地域により異なる場合があるため、利用する際は市町村に問い合わせてみましょう。

【医療保険による負担額】
6歳以上が3割負担、未就学児(6歳未満)が2割負担となっている。

【主な助成制度】
●乳幼児医療費助成制度(マル乳)
●義務教育就学児医療費の助成(マル子)
●重度障がい者医療支給制度
●小児慢性特定疾病医療費助成制度
●難病医療費助成

医療的ケア児の訪問看護の回数・時間について

医療保険を利用した医療的ケア児の訪問看護は、利用できる回数や1回の利用時間が定められています。在宅レスパイトは訪問看護とは別枠となりますが、こちらも保険適用範囲内で利用できる時間数が決まっています。

【保険のハイン以内で利用できる回数】
基本的には週3回まで利用することができます。しかし、重症なケア児または利用児の状態によっては毎日訪問看護を利用できるばあいもあります。

【一回当たりの時間】
一回の訪問時間は30分〜90分となっています。

【在宅レスパイトの助成対象時間数】
一年度あたり48時間~96時間

医療的ケア児の訪問看護の利用例

では、実際に医療的ケア児はどのように訪問看護を利用しているのでしょうか。具体的な事例を交えてご紹介します。

ご兄弟の学校行事がある場合

M君(7歳)にはお兄ちゃんがいますが、お兄ちゃんの卒業式の日、M君は訪問看護師とお留守番をすることに。一緒に積み木で遊んだりお絵描きしたり…。2人でお散歩にも行きました。2回ほど痰がごろ付いたので吸引を実施し、すっきりと遊ぶことができました。

日常生活のお手伝い

ほぼ寝たきりで介護が必要なRちゃん。特に入浴はご家族だけでは大変で、サポート依頼がきました。人員が増えたことにより安全に入浴が実施でき、お母さんも余裕をもってお子さんと関わることができた様子。ほかほかになったRちゃんはとても嬉しそうでした。

学校での支援

K君(9歳)は、車いすで普通学級に通学しています。先生と協力して教室まで車いすを移動し、車いす用の机を使用しながら授業を聞いています。授業の合間には友達と話をしたり、友達が遊んでいるのを訪問看護師と一緒に見たりして過ごします。休憩時間には吸引を行い授業の妨げにならないように配慮するなど、医療的ケア児の学習をサポートしています。

SoiNurse(ソイナース)の訪問看護について

SoiNurse(ソイナース)では、医療的ケア児の訪問看護サービスを提供しています。医療的ケア児の成長・発達をしっかり考えながら看護を行いつつ、ご家族支援にも力を入れております。医療的ケア児を一番近くで支えているご家族の意向を最大限取り入れ、その思いを大切にしながら看護を提供しています。
ここでは、SoiNurse(ソイナース)の訪問看護について解説します。

①質の高い在宅療養生活の支援
訪問する看護師は、小児看護について研修や講義を通してしっかり学んでおり、保育に対する知識も豊富です。小児看護の経験や子育て経験のある看護師ばかりですので、相談相手にも最適です。在宅療養では、家庭によってケアのやり方やタイミングがさまざまですが、そういった要望にも対応可能です。

②在宅レスパイト事業
訪問看護事業では、在宅レスパイトへの対応も行っています。時間数に制限はありますが、ご家族の負担軽減に活用していただいています。在宅レスパイトでも、訪問看護と同様の医療的ケアの提供が可能です。
また、手のかかる兄弟がいる場合の使用にもおすすめです。

③通園・通学支援
通園や通学に介助が必要な医療的ケア児のためのサービスです。学校や保育園との連携をしっかり取りながら進めていくため、安全に通園・通学を実施することができますよ。
学校や保育園での様子もしっかり報告させていただきます。

まとめ

昨年には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(医療的ケア児支援法)が可決・施行されましたが、介護が必要な高齢者と比べ、医療的ケア児への支援制度や社会資源が行き届いているとは言えない現状があります。
日々目まぐるしい生活の中で、休息が必要になったり相談相手が欲しくなったりすることもありますよね。
SoiNurse(ソイナース)は、お子さんやご家族に寄り添いながら支援する体制を整えています。
訪問看護を上手に利用しながら、訪問看護師と一緒に楽しく在宅介護を行っていきましょう。
気になった方はぜひ気軽にお問い合わせください。

【参考サイト・文献】
NHK政治マガジン
医療的ケアが必要な子どもと家族が、 安心して心地よく暮らすために -医療的ケア児と家族を支えるサービスの取組紹介-
医療的ケア児の支援について
地域で医療的ケア児を支える学校の看護師と訪問看護師の看看連携モデル

 

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